猫に炭水化物は必要か?

猫と炭水化物

 

しばしばキャットフードに含まれる炭水化物が問題となることがあります。
その理由は、猫にとって炭水化物の消化が得意では合ないためです。

 

肉食獣である猫は、もともと人ほど炭水化物を必要としていません。
猫に必要な栄養素はたんぱく質で、肉を食べることで得られる脂肪もエネルギー源として使われています。

 

人の場合は炭水化物もエネルギー源としているため必要ですが、猫にとっては必ずしも重要な栄養素ではないのです。
では、猫に炭水化物を0にするのがいいのか?
猫に炭水化物がまったく含まれない餌を与えることは、良くありません。

 

野生の猫も少量の炭水化物を摂取している

野生の猫はネズミを丸ごと食べて生きています。
ネズミは穀物を食べる生き物ですから、未消化の穀物がわずかに胃の中に残る可能性があるためです。
猫が1匹丸ごとネズミを食べれば、同時に少量の穀物も摂取するでしょう。
淡水化物をゼロにすべきか迷ったら、野生の猫がどのような食事をしているか考えると上手くいきます。

 

ネズミが食べた穀物には炭水化物、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が含まれます。
肉だけを食べていたのでは、たんぱく質や脂質はとれるかもしれませんが、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素は足りなくなる可能性があるのです。
自然界では猫に必要な栄養が摂取できるようバランスが整っているため、野生の猫が穀物を微量に食べていることから、飼育下に置かれる猫も多少の炭水化物は必要です。

 

キャットフードに含まれる炭水化物に注意

猫と炭水化物

 

猫にとって炭水化物は微量に必要といっても、キャットフードを与える場合は事情が異なります。
なぜなら、市販されているキャットフードの多くは、たくさんの割合の炭水化物となっているためです。

 

1日当たり29円の格安キャットフードで比較

キャットフードにどのくらいの炭水化物が含まれているか調べるため、格安のキャットフードを例にして紹介します。
1日あたり29円のキャットフードは、かなり安価なほうです。
このサイトでは高たんぱく質のピュリナワンを勧めていますが、同じくネスレブランドの「フリスキードライ」で比較してみたいと思います。

 

主原材料

穀類(とうもろこし、小麦、コーングルテンミール等)

 

その他の原材料

肉類(家禽ミール、ビーフミール等)、豆類(大豆ミール)、油脂類(動物性油脂、植物性油脂)、たんぱく加水分解物、魚介類 (マグロミール、かつおミール、サーモンエキス、魚介エキス)、野菜類(野菜パウダー)、卵類(卵)、乳類(ミルクパウダー)、ミネラル類(カルシウム、カリウム、ナトリウム、クロライド、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、セレン)、ビタミン類(A、D、E、K、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、ビオチン、B12、コリン)、アミノ酸類(タウリン、メチオニン)、着色料(食用赤色2号、食用黄色4号、食用黄色5号)、香料

 

主原材料が穀物のフリスキー

フリスキーの主原材料は穀物です。
とうもろこし、小麦、コーングルテンミール等が含まれています。
メインとなる食材が穀物であり、動物タンパク質ではないため、猫にとって適切な食事だとはいえないでしょう。
これはフリスキーに限ったことではなく、ホームセンターやドラッグストアで扱う安価なキャットフードは同じような感じです。

 

ネスレ側もフリスキーは安さを売りにしたフードという位置づけなのでしょう。
同じネスレで販売されているピュリナワンは、主原料が動物性たんぱく質となっているためです。

 

安いキャットフードに含まれる穀物

スーパーに売られている安いキャットフードは、いろいろな穀物が使われています。
とうもろこし、小麦、大麦、お米、玄米、オート麦、小麦粉、パン粉、コーンフラワー、オートミール、でんぷん、コンスターチ、ポテトスターチ、さつまいも、ジャガイモなどです。
なかには猫に直接必要がない、砂糖、ブドウ糖、果糖、水飴などの糖類を加えているものもあります。

 

キャットフードに含まれる炭水化物の量

多くのキャットフードではたんぱく質の量は表示していますが、炭水化物の配合割合は表示していないものが多いようです。
ロイヤルカナンやサイエンスダイエットなど、海外のキャットフードでは細かく表示しているものがあります。
多くの場合、市販のキャットフードの炭水化物の割合は、20~40%です。

 

炭水化物が表示されていないもので選ぶのを迷ったら、プレミアムフードの基準であるたんぱく質が40%前後のものを選びましょう。
または、原材料名で最初に表示されているものが穀物ではない商品を選ぶと、炭水化物の量は少なくなります。

 

キャットフードに炭水化物が多い理由

猫と炭水化物

 

キャットフードに限らず、ドッグフードも炭水化物が多く含まれているものがあります。
その理由は、メーカーが製造コストを安くしたいという考えからです。
キャットフードは飼い主によってニーズが異なり、「とにかく安ければいい」という考えの方向けに作られているのが、高炭水化物のキャットフードなのでしょう。

 

原材料名は特に気にせず、安ければ安いほどいいと考える方にとって、製造コストが安く安価な価格で売られている高炭水化物のキャットフードは都合がいいのです。
メーカー側は売れるから作るといったスタンスで、猫本来ではない高炭水化物フードを与えたいというわけではありません。
つまり飼い主さんは、猫の健康を守りたいなら、自分自身が猫の栄養のことを勉強し、守ってあげなければならないのです。

 

高炭水化物のリスク

猫に与える栄養素では、いろいろな論文があるようです。
35%以上の炭水化物でも問題がないと評価する論文もあります。
一方で、猫に炭水化物を与えすぎると、泌尿器疾患にかかりやすいという論文もあるのが現状です。
ほかにも高炭水化物は猫のアレルギーの要因になると、指摘する論文もあります。

 

なるべく炭水化物が少ないものがベスト

飼育下での猫に、肉だけを調理して与えても栄養が不足します。
野生で生きている猫は、ネズミを生で食べることで、生肉に含まれるビタミンやミネラルも摂取しているためです。
さらに穀物も微量に含まれているため、「猫に調理した肉だけを与えればいい」という考え方は間違えです。

 

飼育している猫は、人間が選んだご飯しか食べられません。
キャットフードには肉や魚のたんぱく質だけでなく、穀物も含まれるのは、猫に必要な栄養素を調節するためでもあります。
猫に必要な栄養が含まれて初めて、猫の健康が維持されるのです。
炭水化物をゼロにするのはやりすぎで、猫に影響を与えやすい炭水化物の量が少ないものを選ぶ、このように考えるようにしましょう。

 

グレインフリーの注意点

猫と炭水化物

 

グレインフリーとは穀物の割合がゼロのフードのことです。
炭水化物がまったく含まれていないとは違うものです。
穀物が含まれない代わりに、ジャガイモなど猫がアレルギーになりにくい炭水化物をふくむことがあります。

 

腎機能が低下している猫は注意

猫はもともと腎機能が低下しやすく、高齢の猫にグレインフードを与える場合は、獣医師に相談してからがいいです。
もちろん、すでに腎機能が低下している猫にも、グレインフードは与えないでください。
グレインフードは消化吸収に優れますが、猫によっては便秘することもあります。